活動内容
フーカット県立医療センター・コミューンを訪問、低体重児の発育状況を確認するために家庭訪問を行った(2022年6月27日-6月30日)
6/26(日)にハノイからPhu Catに空路で移動した。
6/27(月)午前にPhu Cat医療センターでChi院長らとこれまでの活動内容を確認し、今後の活動計画について意見交換した。本プロジェクトを計画立案した2018年当時と比べ、Phu Cat県内の妊婦の出産場所がPhu Cat医療センターからBinh Dinh省の省都Quy Nhonにある総合病院に大幅に移ってきた。そのため、臍帯血の採取は限定的になるので、ダイオキシン測定のための生体試料に母乳も加えることにした。また、18コミューンの低体重出生児率を比較すると、枯葉剤が濃厚に散布された山岳に近いCat Thaiや枯葉剤を散布した旧米軍基地近隣のCat Tanで高率であり、枯葉剤の影響が推定された。
今回は7コミューンを訪問し、各コミューンでは低体重児の家庭を2軒ずつ訪問した。27日午後、最初のコミューンであるCat Hanhを訪ねた。各コミューンにより、多少生活環境は異なるが、総じて女性の職業は農業従事者が多く、一部は縫製や木材加工の工場で労働者として働いている。生活用水は、地下水を利用しているが、民間の水道事業社が30-40mの深い井戸から汲み上げた水を供給しているコミューンが多かったが、普及率には差が見られた。Cat TaiとCat Thanhではまだ水道会社は参入していなく、各戸は浅井戸を利用している。今回巡回した低体重児はいずれも粉ミルクの支給を受け、離乳食も併せて食べることで標準体重に近いレベルに成長していた。なお、低体重児14人中4人は双子であり、また、ダウン症の子供が2人いた。
Cat Hungコミューンでは対象者本人と兄の2人がデング熱にり患しており、デング熱の流行地域として、プロジェクトメンバーへの今後の予防対策が必要である。
なお、コロナ感染対策として、日本政府はベトナム出国72時間以内にPCR検査を実施することを義務付けているので、6/29(水)午前中にPCR検査を受け、翌日に証明書を受領する計画で、現地に依頼していた。しかし、実際にはBinhDinh省疾病コントロールセンター(CDC)で受検したが、日本政府発行の書式に記載してもらえず、ホーチミン市で改めて証明書を取得するということで帰国直前に混乱した。今後もPCR検査を継続する場合には、ハノイまたはホーチミンで受けるのが現実的であろう。